7つの習慣について

1.習慣について

 子どもたちにも知らず知らずのうちに「習慣」は身についています。朝起きて、歯を磨く、顔を洗う、朝ごはんを食べる、これはみな習慣です。
つまり、言われなくても、考えなくてもできること、それが習慣ということです。そして、その習慣には良い習慣と悪い習慣があるということを伝えましょう。
例えば、悪い習慣として、ちらかしたまま片付けない、学校から帰ったらランドセルを置きっぱなしにする、などなど、たくさんあるのではないでしょうか。
また、その悪い習慣を放っておくと、どうなるのかをいっしょに考えてあげてください。

 

 アメリカのスティーブン・R・コヴィー博士は、この200年間に書かれた「成功」に関するありとあらゆる本を研究していました。すると、驚くべき事実に気がついたのです。それは、仕事や家庭、人生など私たちにとって大事なもの全てにおける「成功」には、一定の決まり、すなわち「原則」がある、ということです。コヴィー博士は、そのことを1冊の本にまとめました。それが、『7つの習慣』です。

 この本には、成功するための基本的なルールが7つ書かれています。そして、そのルールを繰り返し意識し、行動することで、「習慣」にすることができます。そうしていくうちに、他の習慣のように、やがて意識しなくても成功するための基本的なルールに基づいて行動することができるようになるのです。7つの習慣のような「良い習慣」が身についたら、自分で目標を決めて行動できたり、周りの人との関係がよくなったりなど、人生や生活によい影響が自然にたくさんでてきます。

 ここから、1から7までの、ひとつひとつの習慣について、ポイントを解説していきます。お子様と一緒に考えて、「良い習慣づけ」に役立ててください。

 第一の習慣は、7つの習慣を身につけていくための‘カギ’になる習慣です。「人生は選択の連続」と言いますが、人は何をするにも実は一時停止をして、自分の判断で選んだ行動をしているのです。これは動物にはない、人間だけができる行動です。たとえば、犬は、おこったらガブっとすぐに噛み付いてしまうかもしれませんが、人間だったら、「ここはぐっとがまんしなきゃ」など、場合に応じて考えて行動できたりしますよね。これは、何かが起こったときに、「ちょっと止まって考えて、自分で行動を選べている」からなのです。第1の習慣は、「自分自身で考えて、一番いい方法を選ぶ」という習慣です。

 お子様がきちんと考えていない行動をしたようなときには、他人や周りの物事のせいにせず、あとで何が起こるか考えたり、人の気持ちを思いやったりなどして、一番いい方法を選べるように促してあげてください。

4.第二の習慣:終わりを考えてから始める   〜目的を持って始める〜

 お子様にこのようなクイズを出してみましょう。「明日、旅行に行きます。何を、持って行きますか?」質問はなし。お菓子、水着、帽子、ノート……お子様からは、いろいろなアイテムがあがってくることでしょう。そこで旅行の行き先と目的を告げます。「実は、明日から宇宙旅行に行きます!」さて、持ち物はがらっと変わるはずです。次のクイズです。「料理を作ります。メニューを考えずに作り始めたらどうなるかな?」また、「家を建てます。設計図を描かずに作り始めたらどうなりますか?」共通していることは何でしょうか?お子様と一緒に考えてみてください。そうです。行き先や献立など、‘ゴールや目的、目標’がないことに、気づくことでしょう。

 将来どんな風になりたいか、どんな人間でいたいか、大事な人生のゴールを決めないと、旅行のクイズのように、どこへ行ったらいいのか分からず、間違ったものを揃えてしまったり、間違ったところに行ったりしてしまうかもしれないこと話し合い、目標や夢、願いを持つことの大切さを伝えましょう。

5.第三の習慣:一番大切なことを優先する   〜重要事項を優先する〜

 人間にとって大切なことと言うのは、それを行うのがつらかったり、面倒であったりします。でも、だからと言って、そのようなことを「いつか、あとで」と後回しにして、楽しくて楽ちんなことばかりをやっていては、第二の習慣で考えた、「自分で決めた目標や夢、願い」に行き着くことは難しいですよね。

 お子様と一緒に、大切なことだと分かっていたのに、後回しにして出来なかった経験がないか、考えてみましょう。宿題やおけいこごとの練習、お部屋の片付けなど、きっと生活の中にそんな体験があるかと思います。そんな体験から、「時間は後戻りできない、だから、大切なことから先にやろう」という第三の習慣のポイントを伝えていきましょう。

6.第四の習慣:Win Winを考える

 第四の習慣は、「私も勝ち、あなたも勝ち。お互いに幸せになることを考える」習慣です。

 兄弟や友だち関係を考えてみると理解しやすいと思います。たとえば、こんな姉妹がいたら、どうでしょうか?お姉ちゃんはいつも妹のことを自分の家来のように扱います。お菓子はいつも取り上げるし、気に入らないことがあるとたたいたりつねったり。そのくせそれをお母さんやお父さんには絶対に言わないように脅します。妹は、どんな気持ちがするか、お子様に質問してみてください。そう、妹は、「いつか姉に仕返ししてやる」と思ったり、他のもっと弱い立場の人をいじめたりするかもしれませんね。姉は妹に対して、常に「勝ち負け」の状態、そして妹にとっては常に「負け勝ち」の状態です。どんな相手であれ、どんな関係であれ、「勝ち負け」で考えると人間関係はおかしくなってしまいます。

 両親や先生、友達、お店の人、電車の運転手さんなど、生活の中のどのシーンでも人は人に助けられて生きており、必ず自分以外の人とのかかわりの中でしか生きられない、だから、周りの人とはいつも「自分もあなたも幸せ」を考えることの重要さを伝えてあげましょう。

7.第五の習慣:まず相手を理解してから次に理解される   〜理解してから理解される〜

 第五の習慣のポイントは、まずは相手を理解することです。それから自分を理解してもらうのです。第五の習慣では、順序が大切です。まず、「聞く」ということが大切です。その姿勢こそが、第四の習慣「自分も相手も幸せ」につながるのです。

 「お母さんが話しかけていたのに、テレビを見ていて返事をしなかった」「友達が相談してきたのに、話を聞かずにあいまいに返事をしてしまった」など、生活の中で、話を聞かないでいたために失敗してしまったことはないか、話し合ってみましょう。また、‘人の話をきちんと聞く’ためにはどうしたらよいかについても意見を出し合って、「きちんと目を見て話す」とか「うなずきながら聞く」など、アイディアを親子で出し合ってみると、実際の習慣づけにつながりやすくなるでしょう。

8.第六の習慣:相乗効果を発揮する

 第六の習慣は、いままでの習慣の集大成ともいえる習慣です。一人ひとりがお互いの良さを認め合えば、みんなで出せる力は、一人ひとりの力を足したものよりも大きくなる、ということです。人はみな、誰一人同じ人はおらず、みんなそれぞれ違ういいところを持っています。この、この「自分と違う、人の良いところ」を認め合う姿勢こそが、相乗効果を発揮する源となるのです。

 学校やお友だち関係の中で、一人では出来なかったことでも、みんなでそれぞれの持っているいいところを集めたらできたことはないか、話し合って見ましょう。そのときにみんなでどのように協力したか、いいところを認め合う大切さに気づけるように質問してあげてください。

9.第七の習慣:自分を磨く   〜刃を研ぐ〜

 きこりの使うのこぎりの刃は、たまに‘お手入れ’をしないと切れ味が悪くなってしまいます。人間も同じではないでしょうか?第七の習慣は、いつも「自分自身の切れ味」をよく保っていくために、自分を磨いていく習慣です。いつも元気で新しい自分であること、これが第一~第六の習慣の実践を後押しすることになります。

 磨く側面には4つあります。(1)頭(勉強、復習、読書など) (2)体(運動、早寝早起きなど) (3)心(人に優しくする、生き物のお世話をするなど) (4)人間関係(自分の大切な人を大切にする) です。お子様と、どんなことをやっているか、どんなことができるか、具体的に話し合ってみましょう。